動物

人間よりも人間らしい動物たち

CATEGORY : NATURE DATE : 2014/07/31

今回は、まるで人間のように共感し行動する、微笑ましい動物達を紹介します。

フランス・ドゥ・ヴァール:良識ある行動をとる動物たち

オランダ生まれの心理学者、動物行動学者、動物学者。霊長類行動の研究では、世界の第一人者として知られるフランス・ドゥ・ヴァール氏のTEDでのプレゼンテーション。

日本語字幕付はDigital Castさんよりご覧になれます。
フランス・ドゥ・ヴァール:良識ある行動をとる動物たち
共感、協力、公平さ そして互恵—われわれは他人の幸せを思いやるという行為を、とても人間臭いものだと思いがちです。しかし人間と動物の行動が、モラルという面でいかに共通したものであるのか。フランス・ドゥ・ヴァール博士は、霊長類や他の哺乳類達の行動実験の様子をとらえた驚きに満ちた映像を通して明らかにします。

もらった食べ物を仲間の動物達のために、雨の日も風の日も運び続けるワンちゃん。

grapeより転載
ちょっと信じられないようなワンちゃんの素敵なエピソードを知ったのでご紹介させてください。
ブラジル、サンパウロに住むスーザさんは、身寄りのない犬や猫の面倒をみている動物好きの女性。その数は、犬13匹、猫30匹にもなるそうです。
そんなスーザさんが5年ほど前から廃品置き場に住み着いた犬「リリカ」を見つけたのが3年ほど前のこと。スーザさんは、自宅の周りをうろついていた「リリカ」に、他の子たちと同じように餌を与え様子をみていました。
不思議なことに「リリカ」は、いつも与えられた餌をすべて食べることはせず、残した餌とスーザさんを見つめていたそうです。
「リリカ」はいくらスーザさんに促されても、決して餌をすべて食べはしませんでした。そこでスーザさんは「リリカ」が自分の家に餌を持ち帰れるように袋に入れて持ち運べるようにしてあげたところ、その餌を持って帰るようになったそうです。
なぜわざわざ餌を持ち帰るのか?どこに持って帰るんだろう? 気になったスーザさんは、「リリカ」の後をつけてみると信じられない光景を目撃しました。
なんと、「リリカ」は同じ廃品置き場に住み着いている他の動物たち(猫やニワトリ、ラバまで)に、持って帰った餌を分け与えていたのです。
それ以来、スーザさんは、多めの餌を袋にいれて与え、それを食べた後、「リリカ」が廃品置き場へ残りの餌を運びます。毎晩、雨の日も風の日も。ちなみに廃品置き場までは往復6.5kmもある道のりですが、「リリカ」は欠かすことなく餌を毎晩運び続けています。

いったい「リリカ」がどういう思いでこの行為を行っているかはわかりませんが、自分だけが餌をくれるスーザさんのところに住み着いたりせずに、必ず毎晩食べ物を運び続けています。「リリカ」には、なんの見返りもないのに。
この献身的な姿に、感動するとともに、自分を振り返って恥ずかしくなるのは、私だけではないのではないでしょうか?

手話ができるゴリラのココちゃん

1971年7月4日、アメリカ合衆国サンフランシスコの動物園に一頭のゴリラが誕生しました。
生後3ヶ月で病気にかかっている時に、発達心理学の研究者のフランシーヌ・パターソンと出会い、手話を教わりました。
1000語もの単語を習得したココは、手話でパターソン博士と会話ができるようにまでなりました。
パターソンさんは、他にもココにたくさんの絵本を読み聞かせてあげたといいます。ココはネコの絵本がすごく気に入って、誕生日プレゼントにネコをおねだりしました。
最初はおもちゃのネコをプレゼントしたんだけれど、ココはそれが気に入らなくて、生きた子ネコをプレゼントすることに。
3匹の子猫を見せると、その中から自分と同じようにしっぽのない1匹を選び、母親のように体を舐めてやったりしてすごく可愛がったのだそうです。
子猫に“ボール”という名前をつけて、とてもとても可愛がっていました。
ココは大喜び。母ゴリラが赤ちゃんにするのと同じように面倒を見て一緒に遊びました。
飼育員たちは、ココが子猫を殺めてしまうのではないかと考えましたが、ココは、子猫を抱きかかえたり体を舐めたり、たくさんの愛情をそそぎ子猫を育てました。
ココは大きい体で、優しく仔猫をかわいがります。仔猫も安心しきってココの腕の中で寛ぎ、まるで、本当の親子のような 細やかな愛情生活が始まりました。
しかし、ボールは悲しいことに車に轢かれてしまって、ココのところに来ることができなくなってしまいました。
飼育係のパターソンがその事を手話でココに伝えた所、ココはとても落ち込み、手話で悲しみの感情を伝え、大きな声で涙を流して泣き続けました。

友達の死を受け入れ悲しんだココ
ココは死んだらどうなるか教えてくれました。

ココは死をどのようなものだと認識しているのでしょうか。
ココが研究者ムーリンと「死」について会話した内容を以下に記載します。

ムー:念を押しますよ、このゴリラ(ぬいぐるみを指し)は生きているの、それとも死んでいる?
ココ:死んでいる さようなら。
ムー:ゴリラは死ぬとき、どう感じるかしら?--しあわせ、かなしい、それとも怖い?
ココ:眠る。
ムー:ゴリラは死ぬと、どこにいくの?
ココ:苦労のない 穴に さようなら。
ムー:いつゴリラは死ぬの?
ココ:年とり 病気で。

自然から離れて生きる人間は、「死」を直感的に理解できず、未知のものとして極度に恐れる訳ですが、大自然の中で生きる動物達は、人が思うよりも、「死」を優しい存在であると認識しているのかもしれません。

その後のココは…
現在は別の猫を与えられ仲良く一緒に暮らしています。
現在は約2千語を理解し、「嫉妬」や「恥」などもわかる。
さらに千以上の手話も習得し、昨夏には痛みを意味するジェスチャーと口を指さす仕草で「歯が痛い」と訴えて、虫歯の治療を受けました。

ワニに噛まれたヌーを助ける心優しいカバさん

毎日が死と隣り合わせなアフリカの野生動物たち。生きるのに精一杯な状況の中でも、他者を助ける勇気を持った優しい動物がいました。タンザニアとケニアの国境を流れるマラ川で、群れから離れた一匹の子供のヌーがワニにお尻を噛まれて抵抗しもがいていました。そこに現れたカバの群れ。なんと一匹の勇気あるカバがワニに近づき攻撃しました。ワニはヌーから離れ、ヌーは助かりました。その後もしばらくの間、カバがワニとヌーの間に入ってヌーを守っています。怪我のせいで陸に登れないのか、立ち往生しているヌーにカバが近づいていき、ヌーを気遣っているような様子。

この後このヌーがどうなったのかは分かりません。無事群れに帰れてればいいのですが。
「他人に無関心」だとか、「困った人がいても見て見ぬふり」だとか、そんな人が増えているだなんて言われている昨今。こういった動画を見るとなんとも感慨深いものがあります。

ワンちゃんたちの固い絆。盲目の犬に盲導犬がついてお散歩

GIZMODEより転載
タナーは生まれつき白内障で目が見えないゴールデンレトリバー。飼い主が亡くなって新しい飼い主に引き取られたのですが、不安のせいか発作が悪化し、安楽死寸前となっていました。
そんなある日、レスキューセンターの庭で知り合ったのが、黒の雑種犬ブレアです。
ブレアは小さな野良の頃、銃で脚を撃たれて、犬や人を怖がる犬になっていたんですが、なぜか盲目の犬タナーとは馬が合って、たちまち仲良しに。
そしてついにはブレアがタナーの綱を口にくわえて引いてあげるまでになったのです。
これには獣医さんもビックリ仰天。TVのアナウンサーに「目が見えないの知って引っ張ってるんでしょうか?」と尋ねられ、「そりゃそうですよ。疑いの余地もないことかと。こういうのは見たことがないです」と話してます。
ブレアと知りあってからというもの、タナーは失禁の発作もぴったり収まって安楽死の危機を無事脱出しました。ブレアも前より人懐っこくなり、飼い主さんも大喜びです。獣医さんも「素晴らしいシナジーだね」とコメントしてます。

目の見えないスパニエルのための目になってやるジャーマンシェパード

目の見えないスパニエルのための目になってやるジャーマンシェパード

カラパイアより転載
目の見えないスパニエル犬のエリーは、保護施設のマネージャー、ジーン・スペンサーにもらわれた。ジーンは、すでに飼っていた犬のレオが、エリーの盲導犬になるとは考えもしなかった。“二匹を公園に散歩に連れて行くと、レオがエリーを先導してやっているんです”ジーンは語る。

25年離れ離れとなっても深い絆で結ばれていたサーカスの象たち

カラパイアより転載
ジェニーは赤ちゃん、シャーリーは20歳の時に同じサーカスに連れて来られた。檻の中でも互いに鼻を伸ばしたり、もう片方の檻へ行こうとするなど、仲良く寄り添おうとしていた。25年後に象の聖域で解放され、再会したが、二頭で触れ合い、声をあげるその姿は、もう誰にも引き離せないほど、深い絆で結びついているように見えたという。

こう見えて忙しいんです。ウォンバットの10のお仕事

カラパイアより転載
ひとなつっこいことで定評のあるウォンバットだが、彼らは彼らなりに結構忙しいのだそうだ。根っこかじったり穴を掘ってるだけじゃないらしい。
そこで、オーストラリア、ニューサウスウェールズ州にあるスリーピーバローズ・ウォンバット保護区で保護されている1匹のウォンバット、アダムさんに密着してその働きっぷりを見てみることにしよう。

  1. お洗濯・・・という名目の、洗濯機で遊ぶお仕事
  2. 飼育員さんのマッサージ・・・という名目の、かまって攻撃
  3. 水質チェックのお仕事・・・という名目の、水遊び
  4. 飼育員さんの靴下を脱がせるお仕事・・・という名目の、かまって攻撃
  5. ウォーキングコーチ・・・という名目の、かまって攻撃
  6. ソファーの上り下り・・・という名目の、かまって攻撃
  7. 帽子をかぶってファッションリーダー・・・という名目の、かまって攻撃
  8. 鳥の調教・・・という名目の、鳥の乗り物
  9. 週末を喜ぶ・・・という名目の、休みなんだからもっとかまえ攻撃
  10. みんなの心を溶かすお仕事・・・このお仕事だけは完璧にこなしているようだ。

ということでアダムさん、今日も飼育員さんにぺっとりはりついて様々なお仕事をこなしていることだろう。そのほとんどは「かまえ、あそべ、なでろ」というものなのだが。

動物園で飼育員を襲ったオスライオンをメスライオンが止めました。

ボノボ

ボノボ

ボノボは会った事のないボノボをも受け入れ、自分の持っているものを、相手を問わずどのボノボとも共有します。また、群れでは長老のメスボノボが、限られた食料をみんなに平等に分けるという行動が見られます。
ボノボの研究から、人間の最も究極的な形での寛容さや利他的な行動は、遺伝子によって引き起こされている部分があるということが判明するという記事もありました。
NATIONAL GEOGRAPHIC ボノボの性質が人間の進化の謎を解明?


多くの動物達は人間と同じように、喜んだり悲しんだり、楽しんだり苦しんだり、愛したり憎んだりしながら生きているんですね。地球のいのちが心の面でも繋がているんだなぁとつくづく感じました。
それにしても、人間は欲望に任せ、地球の生物達を物のように扱っていますね。動物実験・食肉産業・毛皮や象牙・密猟・環境破壊・(保護目的ではないほとんどの)動物園や水族館・サーカス・競馬・闘牛・ペット産業…どこまで行けば気が済むのでしょう。
人間界では、争いや対立が益々激しくなってきているし世界は混乱しています。人間同士で繰り返される殺し合い。この動物達のように、動物(人間も含む)が本来持っているやさしさを思い出し、シンプルで自然な生き方をできないものか…。皆が手を取り合い、幸せに生きていける世界が早く訪れることを願ってやみません。

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人間よりも人間らしい動物たち」への1件のフィードバック

  1. のはら

    人間よりも人間らしい動物たち
    これは 間違っています。
    人間はもっとも卑怯で狡い生物です。
    動物の捕食活動には騙しが伴います。
    肉体的に弱い動物(人類)は 狡さで捕食する方法を身に付けました。
    斧槍弓といった卑怯な手段で多種を制圧してきました。
    丸腰の相手にです。
    オリンピックを見れば簡単に理解できますね。
    チーターは 一緒に走らないでしょう。
    隼だって!
    それで世界一と勝ち誇っているのが人類ですよ!

    白菜を切る  殺す。
    この行動をどのように理解しますか?
    善ですか? 悪ですか?

    助けてあげたい心
    これを持ち合わせているのも事実です。
    なぜ? でしょうか?

    ロスチャイルドは 地球内の勝者です。

    彼が私を刻んで食べるのと
    私が白菜を刻んで食べることと どのような違いがあるのでしょうか?

    しかし 彼は地球の勝者であっても 銀河の勝者ではないのかもしれません。
    また今の銀河の勝者であっても 将来の敗者であるかもしれません。

    私も白菜に滅ぼされるかもしれません。

    動物の観察から色々なことが考えられます。
    有難うございます。

    返信

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